さて、6月頃から話題となっている「総務省の2年縛り改善指示」ですが、どうも先日報道された案で確定しそうな雰囲気です。
その案というのは、「契約更新月を2ヶ月から3ヶ月にする」というものです。
「今度こそ違約金がなくなる!」と思って格安SIMへの乗り換えを待っていたあなた、違約金発生回避はもう諦めて今すぐ乗り換えたほうがいいかもしれません。
「契約更新月延長」の概要
出典:時事通信 – ドコモも更新月3カ月に=スマホ「2年縛り」見直し
報道の内容をまとめると、以下のとおりです:
- 総務省の2年縛り改善指示に対し、ドコモは契約更新月を3ヶ月に拡大することで対応しようとしている
- 他社(au, SoftBank)も同じ内容にする方針(先に公表済の模様)
- ドコモ・吉沢社長「3社で対応に違いが出ないようにすべき」「減額、なくすということは考えていない」


3ヶ月に拡大でどうなる?
上記報道では、「3ヶ月」の具体的な期間は報じられていませんが、前回の報道のままだと以下のような形になると思われます:
現在(改善前)
2年契約 | 2年契約 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
1ヶ月目 | 2ヶ月目 | … | 23ヶ月目 | 24ヶ月目 | 25ヶ月目 | 26ヶ月目 | … |
契約 | 契約更新月 |
現状の大手キャリア3社の契約更新月は、2年契約満了月の翌月(25ヶ月目)と翌々月(26ヶ月目)の2ヶ月間となっています。
この2ヶ月間のうちに乗り換え(解約)を完了すると、違約金が発生しないという仕組みになります。
契約更新月以外のタイミングで解約すると違約金が発生します。
違約金はどの会社も概ね9,500円(税抜)です(一部例外パターンあり)。
改善後
2年契約 | 2年契約 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
1ヶ月目 | 2ヶ月目 | … | 23ヶ月目 | 24ヶ月目 | 25ヶ月目 | 26ヶ月目 | … |
契約 | 契約更新月 |
前回の報道では、1ヶ月の拡大分を24ヶ月目(契約満了月)にするとされています。
改善後のメリット
「まだ確定ではない」ということに要注意ですが、改善後の契約更新月には一応メリットがあります。
というのも、今まで乗り換え時に必ずどちらか払う必要のあった以下のお金について、どちらも発生しない月が1ヶ月誕生することを意味するからです:
- 違約金が発生する(24ヶ月目以前、27ヶ月目以降での乗り換え)
- 違約金はないが乗り換えた月に乗り換え前の契約先に払う月額料金が発生する(25, 26ヶ月目での乗り換え)
その月こそが、今回改善案として示されている「24ヶ月目」です。
この1ヶ月の間に乗り換えれば、今までなら発生していた違約金が発生することなく、また違約金が発生しないようにした結果翌月の月額料金が発生するということもなく乗り換えることができます。


もし契約更新月追加分が「27ヶ月目」だったら…
2年契約 | 2年契約 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
1ヶ月目 | 2ヶ月目 | … | 24ヶ月目 | 25ヶ月目 | 26ヶ月目 | 27ヶ月目 | … |
契約 | 契約更新月 |
もし3ヶ月目の追加分が24ヶ月目でなく「27ヶ月目」だったら、正直言って改善によるメリットは薄いと言わざるを得ません。
おそらく「違約金がかからないタイミングで乗り換えたい」と思っている人は、だいたい25ヶ月目に乗り換えを済ますと思うので、27ヶ月目に追加されたことでメリットを受けるユーザーはほとんどいないと考えられるからです。

個人的所感
総務省はこれでいいのか?
この改善指示の発端は総務省によるものです。
総務省は消費者の意見や乗り換えの活性化(≒独占状態の抑止)を目的に指示しているわけですが、それに対する大手3社の回答はあまり芳しいものではないと思います。
「これで終わり」となると、世間に対する総務省の風当たり(評価)は悪くなり、今後総務省がやることなすこと世間の評価はマイナススタートとなり、政策が取りづらくなるのでは?と思うのですが邪推でしょうか。
ここは1つ「そんなん認めんぞ!」と改善案を突き放すくらいの強気の方針を見せてほしいです。
もし別大手3社に乗り換えたいと思っているなら待つのも手
大手→大手への乗り換えを検討している人は、今回の改善が現実化したら「違約金が発生しなく、かつ無駄に月額料金を払わなくて済む月」が誕生することになりそうなので、そのタイミングを見計らって乗り換えることで乗り換えを安く済ませられることになるかと思います。
ですので、正式な発表を待って、タイミングが合いそうならそのタイミングで是非乗り換えればと思います。
もし(格安SIMに)乗り換えるなら…
将来的に格安SIM会社に乗り換える気マンマンであれば、正直今月乗り換えたほうがお得の可能性が高いですし、そうしないともったいないと思います。
だいたいの目安を書きますと、現在大手キャリアに7000円程度の月額料金を払っているのであれば、契約更新月が3ヶ月以上先なら今月乗り換えないとむしろ損です。
というのも、月額料金が約5000円ほど下がることが期待できるため、契約満了月を待ってる間に大手キャリアに払っている月額料金そのものが無駄だからです。
自分自身がもう少し厳密にいくらくらい得するか、損するか知りたい方は別記事にて確認できますので、是非参考にしてください。
さいごに
まぁ、先月の第一報が出た時点でお察しだったかなと思います(苦笑)。
「大手キャリアから乗り換えたい」と思われているユーザーにとっては、期待させられるだけさせられて突き落とされた感があるのではと思います。
この報道に対する総務省側からの回答や承認はまだのため、決定ではないということで一応見守りたいと思います(結果は見えてますが…)。
関連記事

コメント